製品になれなかった、訳あり箸をご紹介します。【アウトレット販売あり】

箸が製品になるまでにはロスという、いわゆる不良品がでることも少なくありません。

岩多箸店では伝統的な技法を使った漆塗りの「輪島うるし箸」からポリエステル塗料を使ったリーズナブルな「輪島箸」も作っております。実は漆塗りもポリエステル塗りも塗り重ねる回数が違うくらいで製造の工程はほとんど変わらないんですよ。

岩多箸店の箸づくりは各工程分業で行っておりますので製品になるまでにたくさんの職人の手を通っていきます。

その上で最後に厳しい検品を通った高品質な箸だけが製品となってみなさまの手に届いております。

もちろん生身の人間の作業ですので見逃しも稀にございます。そのようなときはお気軽にお問い合わせくださいね。

それでは製品になれなかった箸とは、一体どんなものか・・・。

検品ではじかれた箸をご紹介していきます。

訳あり品の詰め合わせ販売もございますので、興味がある方は飛ばしてくださいね。

ロス例▼①糸くず、ちり

このロスは塗り終えた箸に空気中に飛んでいる塵や糸くずが付着して乾いてしまった状態です。

乾燥する静電気の時期は本当に多くなり大変です。そしてこちらは最終工程の仕上げ塗り後についてしまったものですが、輪島の塗り箸はポリエステル塗りでも漆塗りでも５～１０回塗り重ねる工程があり、その工程のたびに付着のリスクがあります。途中で気づいた場合、磨いて取り次の塗りの工程に進んでいきます。

ロス例▼②アタマの塗り残し

こちらは頭を塗る工程ででるロスですが、塗料が塗り切れておらず穴があいたような仕上がりになっております。

ただ、こちらの場合は頭部を削って再度塗りなおしを行って製品となりますので再生可能なロスです。

ロス例▼③アタマの塗りミス

箸木地は天然木から作られており、箸の太さが必ずしも均一ではありません。

太かったり細かったり、塗料がこぼれ塗ってから箸同士がくっつくなど。頭を塗る天塗りの機械の不具合もあります。

ロス例▼④天塗りの機械の塗料が飛んだ

塗料が飛んで乾いてしまうともう取ることはできません。

↓下の写真は塗料が飛んで拭き切れていないものです。

ロス例▼⑤擦れや柄のミス

絵柄がきれいにでていないものは商品になりません。

ロス例▼⑥すべり止め加工の失敗

左が製品、右がロス。

写真でよく目を凝らして見てもわからないこちらの箸は全体すべり止めの箸。

気温や天候にあわせた塗料の❝合わせ❞がうまくいっていなかったり、塗料の中からの箸の抜き方などでこのようなすべり止めがちゃんとつかない箸になってしまいました。しかしすべり止めがないノーマル仕様（つるつるのもの）の箸もございますので、箸としては何ら問題ないわけです。

製品になれなかった箸を販売します

一見わからなくても箸の寸法間違いや箸木地からの傷、木目が浮いてしまったり、ロスの箸はお客さまにお出しするわけにはいきません。しかし使用にはなんら差し支えない箸が９割以上です。あとは予備で生産した箸の余りなどもたくさんあります。

岩多箸店は持続可能な経済・社会づくりのためSDGｓに取り組んでおります。

輪島うるし箸のロスは再切断、塗りなおしするなどして漆のストラップや和菓子切りとして製品化されています。ポリエステル塗装の輪島箸のロスの一部は石川県の能登地方の祭りで担がれている巨大な灯篭「キリコ」に模した箸キリコとして職人さんの手により生まれ変わっています。箸キリコは輸送に向かない為オンライン販売はしておりません。輪島キリコ会館の売店にて販売しておりますので是非観光に来た際は探してみてくださいね。