商品にならなかったお箸は、ストラップに生まれ変わります
先日、当ブログで紹介させていただいた試作品。皆さん覚えてますか?あの試作品がどのようになるかを話したいと思います。
写真を見て下さい。あの試作品のお箸が小さく切り刻まれていることがわかるでしょうか。
このように、試作品のお箸はストラップに生まれ変わることが多いんですよ。
携帯電話がスマートフォンになり、ストラップを付ける習慣がなくなってきて、動きが悪くなっているとはいえ、まだ根強い人気があります。
切ったり付けたりと手間がかかるため、ストラップは時間に余裕があるときに作るんです。
写真からは、まだまだ工程はありますが、可愛らしく仕上げたいと思います。
ストラップはまず、箸の模様の部分を切り出します。
次に、切り口をグラインダーで整え、塗料がのりやすくします。
この二つの工程をすると、身体中ほこりだらけ!
箸屋は、こんな風な地道な作業ばかり。まあ、これが楽しいんですが!
この蜂の巣と見間違えるような道具は、塗料を塗った隣同士の箸がくっつかないように収める道具です。名前は特にありません。
今回は、ストラップの頭を塗り、それを保管するために使っています。
ストラップの頭を塗るのは手作業。箸屋は手作業が多いんですよ。心を込めやすいんです。
このストラップは、模様が付いていない無地なんです。なぜ無地なのかというと、これから、沈金を彫ったり、蒔絵をしたりするからです。お客様が、輪島塗りの技法を体験するためなんですよ!
無地のストラップ以外にも、お箸を利用したストラップがたくさんあります。
岩多箸店の漆ストラップは、商品にならないお箸も利用して作ってます。
ダメなお箸のいい部分だけ切り取って作ります。いわゆるエコですね。
絵柄に問題がなくても他の箇所に空気中の塵や糸くずがついたり、漆や金がとんでついていたり、そんなお箸はストラップに生まれ変わります。
十二支・干支箸から作られた干支ストラップも観光地ではお土産にかなりの人気商品なんですよ。
ただ、このストラップは専用のデザインです。なんだかわかりますか?
これは、戦国武将加藤清正の『長烏帽子兜』をデザインしたものなんですよ。カッコいい!
このように、オリジナルなストラップも出来るんですよ!
お箸と同様、記念品や粗品に作ることもできます。
興味がある方は、ぜひお問合せくださいね!
岩多箸店の代表です。
輪島で生まれ、小・中・高まで輪島で過ごし、その時に箸製造の手伝いを経験し、すべての工程を学びました。
金沢大学に進学し、経済学を学び、卒業後北陸銀行に入行。たくさんの方々と出会い、かわいがってもらいました。
16年勤務後、輪島に戻り箸製造の手伝いを始め、先代から経営を引き継ぎ、現在に至ります。
生まれ育ち大好きな輪島から、お箸を熟知して、私たちが作った自慢のお箸を皆様にぜひ使っていただきたいと思います。